栃木県日光市
『四本龍寺(紫雲立寺)』
勝道上人が日光で最初に創建したお寺で、日光山発祥の聖地とされている場所です。
四本龍寺自体はなくなっていますが、二棟の堂舎が残されており、すぐそばには二荒山神社発祥の地とされる本宮神社もあります😊
こちらのブログでは四本龍寺の歴史・御朱印・境内の様子についてご紹介させて頂きます。
[aside type=”boader”]【基本情報】
住所 | 栃木県日光市山内 |
電話番号 (輪王寺) |
0288-54-0531 |
アクセス | マップを開く |
公式サイト (輪王寺) |
公式サイトを見る |
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四本龍寺の歴史
四本龍寺・観音堂
東武日光駅を降りるとすぐ目の前に日光街道がありますが、そちらを上った先には
日光東照宮、日光二荒山神社、日光山輪王寺管轄の建物など、世界遺産『日光の社寺』を構成する貴重な建物が数多く残されています。
様々なお店が立ち並ぶ日光街道を進むと大谷川と神橋が見えてきますが
そのそばを通る道を渡ってすぐの場所に、本宮神社とともにあるのが四本龍寺です😊
奈良時代(710-794)の創建とされ、766年に大谷川の激流を渡った勝道上人は
紫雲が立ち昇り、東の空にたなびくのをみて、この地に草庵(小さな住居)を建てました。
この草庵がのちの四本龍寺であり、創建当初は紫雲立寺と呼ばれたそうで
807年に下野国司の橘利遠により観音堂が建立され、本尊の千手観世音が安置されました。
四本龍寺と本宮神社
本宮神社拝殿
766年に、のちの四本龍寺となる草庵を建てた勝道上人は、翌年の767年に、男体山の神様・大己貴命を祭るための祠も建てています。
これが、四本龍寺のそばの本宮神社であり、四本龍寺・本宮神社は、世界遺産・日光の社寺の始まりの場所と言える重要な場所です😊
現在、日光東照宮・日光二荒山神社・日光山輪王寺の二社一寺が管轄する103棟が日光の社寺としてユネスコ世界遺産に登録されていますが
四本龍寺は輪王寺の管轄となっており、本宮神社は二荒山神社の管轄であることから、世界遺産を構成する重要な場所でもあります。
なお、この四本龍寺こそが輪王寺の前身となったお寺で、のちに満願寺、光明院といった名称を経て、輪王寺となりました。
御朱印
四本龍寺の御朱印です。
四本龍寺:栃木県日光市
— もも (@momo160815) November 24, 2019
平成31年4月21日参拝
幻の寺院です。
四本龍寺はすでに無く、名前と観音堂、三重塔だけが残っています。
本宮カフェの先にあり、御朱印は輪王寺三仏堂で頂けます。 pic.twitter.com/TwaRwLlT7J
御朱印は、輪王寺でいただけるそうです。
境内紹介
四本龍寺は、本宮神社のそばにありますので、本宮神社と一緒にご覧になってみてください。
↓本宮神社拝殿↓
本宮神社の本殿のところまで行くと、四本龍寺の三重塔が見えてきます😊
↓本宮神社社殿と四本龍寺三重塔(奥)↓
本宮神社のそばから入っていくと、紫雲石という石がありますが、こちらが四本龍寺の始まりとなった紫雲が立ち昇った伝説の場所です。
↓紫雲石↓
勝道上人がこれから登頂を目指す男体山の方角に祈りを捧げていたところ
この石から紫雲の煙が立ち昇り、男体山のある東の空へとたなびいたことから
この地を青竜、白虎、朱雀、玄武の四神に守られた霊地と悟られ、ここに紫雲立寺を建立されたと言い伝えられています。
また、その四本の紫色の煙が龍の形となってたなびいたことから、四本龍寺と名付けられたとも言われているそうです😊
そして、この紫雲石のすぐそばに四本龍寺の観音堂と三重塔があり、両方とも国の重要文化財に指定されています。
↓観音堂と三重塔↓
三重塔は、日光山輪王寺24世座主弁覚が鎌倉幕府三代将軍源実朝公を供養するため
1241年に東照宮境内付近に建立されたものが、その後現在の場所へ移されたそうです。
観音堂は前述の通り、807年に下野国司の橘利遠により建立されましたが
三重塔・観音堂は、ともに1684年の大火により焼失してしまったことから
今見ることができるのはどちらも1685年に再建されたものだそうです。
現在は、観音堂・三重塔ともに国の重要文化財に指定されており、観音堂は飾り気のない落ち着いた印象であるのに対し、三重塔は十二支の彫刻が施されかつ色鮮やかなのが印象的でした。
また、観音堂と三重塔の間には、不動明王と石の護摩壇があり、こちらは日光修験(山へ籠もり、悟りを得る厳しい修行のこと)の往時を今に伝える重要な遺跡です。
↓不動明王と護摩壇↓
なお護摩壇とは、山伏(修験道の宗教的指導者)が屋外で護摩修行を行うための、護摩をたく炉を据える檀のことであり、このように石造りなのは日光山独特のものだそうです。
また、不動明王は仏道の修行者のことを常に見守っている存在であり、火を焚き、不動明王をお招きして供養することで、煩悩を焼き鎮め、成就を祈願するのが護摩修行です。
現在はお寺としては存在していない、幻のお寺と言われる四本龍寺ですが、神聖な雰囲気と、日光の歴史を感じられる場所でした😊
最後に
お寺としては存在しない四本龍寺ですが、実は今も下野三十三観音巡り・第三番札所として崇敬されている場所で、ご本尊は千手観音です😊
観音堂は、1874年に金剛童子も合祀されたことから、金剛堂とも呼ばれています。
四本龍寺は、1200年以上にわたる日光山の発祥の地とされる重要な場所ですので、日光市へ来られる際には是非ご覧になってみてください。
最後まで読んで頂きありがとうございました、